2012年4月27日金曜日

(朝鮮日報日本語版) 韓国人に成り済ます外国人犯罪者

朝鮮日報日本語版 4月24日(火)11時7分配信
 昨年9月まで10年間、中国人の男A(64)は、韓国人として生活した。1997年に観光ビザで入国したAは、滞在期限が切れ、不法滞在者となった。そして、当時53歳だったAは、2001年に区庁に1948年生まれと偽って出生届を提出した。Aには韓国国民であることを示す住民登録証まで与えられた。名前は中国名の韓国語読みをそのまま使用した。不法滞在者から韓国人へと変身した男は、病院では医療保険の恩恵を受けたほか、基礎生活受給者(生活保護対象者)に認定され、毎月30万ウォン(約2万1500円)の生活補助金までも受け取っていた。

 Aが法務部(省に相当)の移民特捜調査隊に摘発され、強制的に出国させられるまで、10年間も韓国人に成り済まして生活することができたのは、現行制度に盲点があったからだ。現行法は、生まれた直後であろうと、生まれてから数十年が経過していようと、周囲の人物2人が保証人になれば、出生届を提出することができる。死亡届も同様だ。保証人が直接出頭する必要もなく、保証人の住民登録証と印鑑さえ借りれば、提出が可能だ。これを通称「隣友保証制度」と呼ぶ。

 隣友保証制度は、日本統治時代から存在する制度で、病院のない地域の住民が自宅で出産したり、死亡した場合、届け出を容易にする趣旨で設けられたものだ。問題は住民の便宜を図るために導入された制度が、国籍偽装や殺人の隠蔽(いんぺい)などに悪用されていることだ。最近、警察庁、法務部などがこの制度の盲点を狙った不正事件を相次いで摘発している。

 今月3日、仁川空港出入国管理所に摘発された中国人の男B(57)は、19年にわたり、二つの身分を使い分けていた。Bは37歳だった1993年に知人2人を保証人として立て、韓国籍を取得した。中国に妻子がいたが、韓国人の身分で別の中国人2人と結婚した。Bと結婚した中国人はいずれも韓国籍を取得した。Bを含め「幽霊韓国人」が3人も誕生したことになる。
 昨年12月には、中国で殺人を犯し、中国の公安当局に指名手配された後、韓国に入国し、戸籍を不正に作成した中国人C(35)が摘発された。Cは韓国で生まれた孤児であるかのように装い、隣友保証制度を利用して韓国籍を取得した。

 イ・ドングォン移民特捜調査隊長は「こんないい加減な出生、死亡届の制度が存続すれば、韓国は中国や東南アジアの犯罪者の身分偽装先になりかねない。開発途上国の人が容易に韓国籍を取得し、国民の税金でまかなわれているさまざまな福祉制度まで享受するようになれば、外国人に対する嫌悪など社会問題を引き起こすこともあり得る」と懸念を示した。

 死亡届の場合は事態がさらに深刻だ。生きている人を死んだように見せかけ、保険金詐欺に利用したり、他殺が自然死として偽装される可能性があるからだ。年間の死亡者の約7%に当たる約1万7000人が死亡診断書や死体検案書なしで、隣友保証制度によって死亡として処理されている。09年に忠清南道保寧市に住む女性Lさん(71)が死亡した際、家族が病院ではなく、里長(集落の責任者)の確認によって、葬儀の手続きを行おうとした。しかし、国立科学捜査研究院による司法解剖の結果、夫が妻を青酸カリで殺害したことが判明した。現行制度によって、「完全犯罪」が成立する寸前に発覚した事件だった。

 国立科学捜査研究院のソ・ジュンソク法医学部長は「遺体なき殺人事件などを防止するためにも、隣友保証制度の廃止が必要だ。経済協力開発機構(OECD)加盟国で隣友保証制度が存在するのは韓国だけだ。法医学会は国会に制度の廃止を要求している」と述べた。

■隣友保証制度とは

 病院による出生・死亡証明書がなくても、知人の保証があれば、出生届や死亡届を提出できる制度。

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この「隣友保障制度」、初めて知ったのだが、非常に危険な法律と感じた。
出生も死亡も、何の証明書もなく出すことができるのだから。
犯罪の温床となっているのも当然である。
成立した当時は必要であっただろうが、今現在では悪質な利用しかされないだろう。
早急に廃止し犯罪を未然に防がなければならない。

By MT

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